フラワーディレクターからの花だより
博全社のフラワーディレクターが、花をテーマにした身近に役立つ情報を月に1度お届けいたします。
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2017年11月16日
冬の貴婦人「クリスマスローズ」
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今回の花はクリスマスローズを選んでみました。
クリスマスローズはドイツやイギリスでは、クリスマスを祝う花としてしられていて、冬の花の少ない時期に咲く花「冬の貴婦人」とも呼ばれているそうです。
そして、このクリスマスローズ(ニゲル)の白い花には、キリスト教の国々で語り継がれている物語があります。
一人の貧しい少女マデロンがキリストの誕生を祝うことができずに流した涙が落ちた場所から、クリスマスローズが咲き乱れました。
マデロンはその花を摘み聖母マリアとキリストに捧げたと伝えられています。
<花名の由来>
花名のクリスマスローズは、クリスマスの時期にバラに似た花を咲かせることに由来するそうです。属名の学名「Helleborus(ヘレボルス)」はギリシア語の「helein(死に至らしめる)」と「bora(食べ物)」が語源となり、この植物の根に毒があることにちなむといわれます。
<花言葉の由来>
古代のヨーロッパでは、クリスマスローズの香りが病人から悪臭を除くと信じられ、ギリシアでは狂人を正気に戻すと考えられていました。また、イギリスのエリザベス時代(16~17世紀)には憂鬱を追い払うのに使われていたといいます。花言葉の「私の不安をやわらげて」「慰め」はこれにちなみ、「中傷」の花言葉は根に毒があることに由来します。
<花びらのない花>
花びらに見える部分は、実際には花の形をした「萼片(がくへん)」になります。
そのため、鑑賞期間が比較的長くなります。なお、本来の花びらも蜜腺(ミツを分泌する器官)として残り、これが大きく発達したものを選別した品種もあるそうです。