今月のスタッフだより
「心からのやさしさ」を信条に
- 送迎課/
藤本 喜久雄
故人様のお迎え、搬送、祭壇設営のお手伝い等をする送迎課に異動し、14年ほどになります。
わたしたちは、ご遺族が一番最初に会う葬儀会社のスタッフです。お客様の状況は本当にそれぞれに異なります。長い間の看病を終え看取られた方、突然ご家族を失われた方、幼いお子様を亡くされた方。たくさんの方の悲しむ姿を間近にみてきた今、私たちが仕事をする上で最も大事にすべきことは、シンプルですが相手に対する「やさしさ」だと実感しています。
本当の「やさしさ」って、親切ともちょっと違う気がするんです。大切なのは目の前にいらっしゃるご遺族の気持ちに寄り添うこと。むやみに踏み込みすぎてもいけません。初めて会う方ですので難しさはあります。でも、相手の目線にあわせて話をする、口だけでなく身振りでもわかりやすくお伝えするなど、少しでも安心していただけるように、そんな基本的な所作の一つ一つから丁寧におこなうことを心がけています。
ときには亡くなられてからご自宅に戻らず、直接式場にご安置となる故人さまもいらっしゃいます。「家に帰りたがっていた」そんなお話をご遺族からうかがえば、状況が許す限りではありますが、ルートを変えてご自宅前までお連れし、そこでひとときのお別れをしていただくこともあります。思い出のたくさん詰まったご自宅ですし、微力ではありますがせめてもの願いを叶えて差し上げたい、そんな想いで運転しています。そして「ありがとう」という言葉をいただけると、心から嬉しく思います。
祭壇設営をしていた際、ふと飾られている「かすみ草」の花言葉が「感謝」ということを知りました。それを知って以来、お柩の花入れにご準備するお花の中にかすみ草も含めるようになりました。ご葬儀の仕事について長く経ちますが、まだまだ知らないことがたくさんあります。でも知ることで、自分の行動が変わるきっかけになることもあります。改めて、日々勉強だなと感じました。
自分自身の成長が自分のために、そしてお客さまのためにつながっていく。そんな気持ちをもってこれからも日々勉強を重ねていきたいと思っています。